土屋鞄製造所が中小企業のコンテンツマーケティング成功事例として取り上げられるのはなぜか?どんな特徴があるのか?

自社サイトと何が違うのかを分析して、土屋鞄製造所の成功要因を自社のコンテンツマーケティングに取り入れたいですね。

この記事では、「土屋鞄製造所」のコンテンツマーケティングが成功した理由について、WEB解析士の視点から考察してみました。

具体的には次の順番でお届けします。

①「土屋鞄」のサイト・SNSの概要とパフォーマンスについて
②「土屋鞄」のコンテンツマーケティングの3つの特徴
③「土屋鞄」のコンテンツマーケティング成功要因を考察

ぜひ最後まで読んでみてください。

①「土屋鞄」のサイト・SNSの概要とパフォーマンスについて

土屋鞄製造所とは、1965年創業、東京でランドセル職人が立ち上げた工房を発祥とする日本の鞄ブランドです。

(参考:ウィキペディア

企画・製造・販売・修理を自社で一貫して行い、ブランドにおけるクリエイティブが高い評価を得ている。近年では、アジア圏を中心に海外にも認知を広げている。

(参考:ウィキペディア

2007年から2009年の2年間ほどの間に、売上を倍増させ(約50億円)、経常利益も5億円、社員数も20人前後から3倍近くに成長した企業です。

(参考:https://carryme.jp/pro-saiyo4.0/true-story-of-tsuchiyabag/

なぜここまで成長したのか?

その要因のひとつがコンテンツマーケティングの成功です。

土屋鞄のコンテンツマーケティングの特徴、成功要因をお伝えする前に、WEBサイト・SNSの現在のパフォーマンスを確認してみます。

SNSではフェイスブック、インスタグラムに力を入れています。

WEBサイトのパフォーマンスを見ていて特筆すべきは、ダイレクト流入の多さです。

「土屋鞄」というブランドキーワードの検索ボリュームが月間64,000回もあるというのは驚異的です。

(参考:ahrefs)

ちなみに

エルメス・・・56,000回
グッチ・・・53,000回
ディオール・・・32,000回

ですから、「土屋鞄」と検索する人がいかに多いかがわかります。

SEOをまったく意識していないサイトコンテンツにも関わらず、なぜここまで指名検索されるようになったのか?

土屋鞄のコンテンツマーケティングの特徴をみていきましょう。

②「土屋鞄」のコンテンツの特徴

土屋鞄のコンテンツマーケティングの特徴は下記2点にあるように感じます。

  • クリエイティブの統一感
  • つながりを意識したSNSコミュニケーション

・クリエイティブの統一感

土屋鞄のサイトを見て誰もが感じるのが、写真の美しさと統一感ではないでしょうか。

きっとプロのカメラマンに撮影してもらっているのだろうと思っていたら、どうやら違うようです。

土屋鞄では、ECサイトやSNSの運用に特化したチームはなく、カタログ、コンテンツ制作を行う販売促進部のメンバーが兼務する。販促物のライティング、デザイン、撮影は社員で行う。

(引用:https://www.advertimes.com/20171030/article260242/2/

写真だけでなく、発信する内容は販売促進部の主要メンバーがすべてチェックするそうです。

これによって、土屋鞄の世界観がブレることを防いでいます。

さらに、主要メンバーすべてがチェックするということは、社内での価値観の共有を常に行っているということです。

価値観が共有されている組織は強いです。

・つながりを意識したSNSコミュニケーション

土屋鞄がメインで使っているSNSフェイスブックとインスタグラムです。

フェイスブックに投稿する目的は

「Facebookで定期的に情報発信をしている目的は、土屋鞄に興味を持ってくださっている方たちとのコミュニケーションです」

(引用:https://mag.sendenkaigi.com/senden/201612/not-fail-marketing/009347.php

だから商品の紹介ではなく、人間味のあるコミュニケーションを意識しています。

③「土屋鞄」のコンテンツマーケティング成功要因を考察

土屋鞄コンテンツマーケティングの成功要因を調べていると、次の3点にまとめられそうです。

これらの要因については、土屋鞄の成長期を支えた土屋鞄の元役員、大澤亮氏が語られています。

(参考:土屋鞄の元役員がはじめて語る土屋鞄の売上、利益が急成長した本当の理由

ライフタイムバリューを高める

多くのECサイトでは新規顧客獲得を重視します。しかし新規顧客獲得コストは近年上昇する一方。

新規顧客獲得コストはリピート顧客獲得コストに比べると10倍以上といわれています。(引用:https://raksul.com/magazine/column/which-new-or-repeat/

私の知人の経営する店舗では16倍と言っていました。

いずれにしても、新規顧客獲得の難易度は高まっています。

しかも、一度買ってもらっても、リピートしてもらう仕組みがなければ、コスト倒れになるだけです。

土屋鞄では、リピートしてもらうためのブランディングに力を入れて、ライフタイムバリューを高めることを意識しています。

そのためのツールとして、メルマガ・カタログ・オウンドメディアを使っています。

メルマガ

メルマガはリピート率を高める有効なデジタルツールです。メルマガの企画から制作・発行まで複数人のチームで行い、1本作るのに1週間をかけていたそうです。

カタログ

物販企業ではカタログを外注するところが多いと思いますが、土屋鞄では自社で多くの手間をかけていたようです。

印刷はもちろん外部でしょうが、デザイン、内容などは自社で考えていたのでしょう。

だからこそ、WEBサイトとカタログに一貫した世界観を持たせることができるのです。

オウンドメディア

土屋鞄のWEBサイトには「読み物」というカテゴリーがあり、ここに150記事ほど投稿されています。

いずれもSEOを狙った記事ではなく、土屋鞄のファンの人だけが見てくれればいいという割り切りを感じる記事です。

スタッフが愛用している鞄とか、職人のこだわりなど土屋鞄の価値観を知ってもらうための記事です。

既存顧客のエンゲージメントを高める役割を果たしていると思われます。

顧客を絞る

土屋鞄の製品価格は5万円~10万円とそんなに安いものではありません。

だから誰にでも買ってもらいたいわけではなく、土屋鞄のテイストを好きな人だけが買ってくれればいいというスタンスです。

多くのECサイトは誰にでも買ってほしいという姿勢が見えるものが多いです。

そういうECサイトはたいてい頻繁に値下げセールをやっています。

Amazonくらいの規模になればそれでOKですが、値下げは価格競争のスタートです。

体力がある企業だけしか生き残れないやり方で戦うのではなく、土屋鞄は自分たちの世界観に共感してくれる人だけをお客にしています。

そのために、WEBサイト、カタログのクリエイティブに統一感を持たせることを徹底しています。

店舗とECサイトのクロスマーケティング

最初に少し書きましたが、土屋鞄のWEBサイトにはダイレクト流入で訪れる人が多いです。

しかも検索経由でも「土屋鞄」の指名検索が多いので、ほぼSEOに頼らないコンテンツマーケティングを展開しています。

普通はSEOで上位表示することによって、自社を知らない人に知ってもらい、その中でサイトを気に入った人にブックマークしてもらうことを狙います。

ところが、土屋鞄はSEOに頼らず、指名検索をここまで増やしています。

ひとつは店舗があることが大きいと思われます。

店舗購入からECサイトへのリピート、ECから店舗へのリピートをメルマガ、カタログ、WEBサイトで誘発することで、指名検索が増えていったのではないかと想像します。

以上、土屋鞄製造所のコンテンツマーケティングの成功要因についてでした。