
SEOで集客するための必要条件は検索意図を満たすことです。
検索意図を把握するためには、検索結果を分析することが必要ですが、その前に確認しておくべきことがあります。
それがマイクロモーメントの確認です。
この記事では下記2点についてお伝えします。
・マイクロモーメントとは何か?
・どうやってマイクロモーメントを確認するのか?
SEOで集客できない、つまり検索上位に記事が表示されないという場合、記事の根本的な方向性が間違っているということがあります。
そんな罠に陥らないために、ぜひ最後まで目を通してください。
マイクロモーメントとは?
マイクロモーメントとは、Googleが2015年7月に提唱した検索行動に関する理論です。
人は「何かを知りたい」「どこかに行きたい」「何かをしたい」「買いたい」と思ったときに、スマートフォンやタブレットを使って検索することが多いです。
その検索する瞬間(モーメント)のことをマイクロモーメントとGoogleが名付けました。
マイクロモーメントは4つに分類されます。
①KNOWクエリ・・・何かを知りたい
②GOクエリ・・・どこかに行きたい
③DOクエリ・・・何かをしたい
④BUYクエリ・・・何かを買いたい
スマホ普及以前、もっと言うとインターネットの普及以前は、何かを「知りたい」「買いたい」「したい」と思っても情報を仕入れるコストが高くつきました。
どんなトレーニングをすれば速く走れるようになるのか知りたいと思ったら、本屋や図書館に行って、それらしいことが書いてありそうな本を探し、その本の中から該当箇所を探すということが当たり前でした。
しかし、今ではスマホで「速く走るトレーニング法」とでも検索すれば、たくさんの情報が瞬時に手に入ります。
(今では情報がありすぎて、正しい情報を選別するためのコストがかかるという問題はありますが。)
実際に、多くの検索はユーザーのマイクロモーメントによって行われています。
Googleはマイクロモーメントの重要性を次のように表現しています。
「マイクロモーメントにこそ、ユーザーの”ニーズ”が潜んでおり、そのニーズに対して適切なタイミングで、適切なメッセージを届けることが非常に重要である」
つまり、検索ユーザーのマイクロモーメントを取り違えると、適切なメッセージを届けることができないということです。
したがって、どんなに頑張って記事を書いても上位表示されません。
例えば、「スマホ 修理」という検索クエリのマイクロモーメントは先ほど上げた4つのうち、どれだと思いますか?
①KNOWクエリ・・・何かを知りたい
②GOクエリ・・・どこかに行きたい
③DOクエリ・・・何かをしたい
④BUYクエリ・・・何かを買いたい
「スマホ 修理」と検索する人が何を求めているのか?
この検索意図を取り違えると、的外れの記事を書いてしまうことになります。
「スマホ 修理」のマイクロモーメントを①KNOWクエリ(修理法を知りたい)もしくは③DOクエリ(自分で修理したい)と勘違いする人は多いです。
しかし、「スマホ 修理」のマイクロモーメントは実は②GOクエリ(行きたい)です。
なぜか?
答えはSERP(検索結果画面)にあります。
Googleで「スマホ 修理」と検索すると地図が出てきます。

検索結果1位の記事も修理業者のWEBページです。
つまり、「スマホ 修理」という検索クエリの意図は「スマホをすぐに修理できるショップに行きたい」です。
マイクロモーメントがGOクエリなのに、「スマホを自分で修理する方法」という記事を書いても、検索ユーザーの意図を満たすことはできないということです。
つまり何万文字を費やして「修理方法」の記事を書いても上位表示されません。
だからこそ、一番最初にマイクロモーメントを確認することが大切なのです。
マイクロモーメントを確認することで、記事の大まかな方向性を決めることができます。
どうやってマイクロモーメントを確認するのか?
上記の「スマホ 修理」のように頭で考えると、検索意図を外してしまうクエリがあります。
こうしたミスをなくすためにはSERP(検索結果画面)で必ず確認することが大切です。
GoogleのSERPを見るときに、まず最初に確認するべき箇所は下記の部分です。

この部分をユニバーサル検索といいます。
ユニバーサル検索とは
ユニバーサル検索とは、検索エンジンのWeb検索結果において、複数の異なる種類のコンテンツが混在して表示されること、または、そうした機能のことである。
Web検索が検索対象とする情報の区分としては、Webページ(テキスト)の他にも、画像や動画、地図、ニュース記事、関連書籍、関連商品、などがある。
(引用:weblio辞書)
ここを確認することで、マイクロモーメントを把握できることが多いです。
(この部分だけでは把握できないクエリもあります)
「スマホ 修理」の場合は、「地図-ニュース-ショッピング-画像」の順番に並んでいます。

地図が最初にあるので、GOクエリであることがわかります。
同じようなキーワードで「スマホ 故障」で検索してみましょう。
今度は「ニュース-画像-ショッピング-動画」の順番に変わりました。

「スマホ 修理」と「スマホ 故障」という検索クエリでは、表面的に考えただけでは、同じような検索意図だと思ってしまいますが、検索ユーザーが求めているものは違います。
「スマホ 故障」の場合は、「故障の原因を知りたい」「データを取り出す方法を知りたい」など「KNOWクエリ」です。
ユニバーサル検索の部分を確認することでマイクロモーメントの種類を把握することができます。
マイクロモーメントを把握することで、検索ユーザーが求めているコンテンツの大まかな方向性を知ることができます。
マイクロモーメントをSEOライティングに活用する方法
人の検索行動を分解すると
①マイクロモーメントが発生
↓
②スマホ(PC)にクエリを入力
↓
③検索結果の上からタイトルを確認
↓
④自分の欲しい情報がありそうな記事をクリック
↓
⑤欲しい情報がなければSERPに戻る
↓
⑥場合によってはクエリを変えて再検索
上記のようになります。
自分の書いた記事が最初にユーザーの目に留まるのは「タイトル」です。
タイトルを見たときに「自分が欲しい情報がありそう」と思ってもらえなければクリックしてもらえません。
だからタイトルはとても重要です。
タイトルには、狙ったキーワードを含めるのは当然ですが、それ以外にも注意する点があります。
何に注意するかというと、マイクロモーメントです。
マイクロモーメントの種類によって、タイトルの付け方を工夫できます。
例えば
●GOクエリ(例:ラーメン)〇〇駅近辺でラーメン通をうならせる人気ラーメン店〇選
●DOクエリ(例:スマホ 故障)・・・スマホが故障したかも?応急処置法&データを取り出す方法
●BUYクエリ(例:水)・・・水の通販おすすめランキング
●KNOWクエリ(例:便秘 原因)・・・便秘の原因は人によって違う!あなたはdのタイプ?
あくまで一例です。
GOクエリ 行きたい
DOクエリ したい
BUYクエリ 解体
KNOWクエリ 知りたい
これらのニーズを満たす記事ですよということをタイトルで表現することが重要です。
マイクロモーメントの注意点
最後にマイクロモーメントを分析する上での注意点を2つお伝えします。
マイクロモーメントは時とともに変化する
マイクロモーメントは時とともに変化します。
例えば、「パクチー」と検索窓に打ち込むことを考えてみましょう。
数年前までは「パクチー」というクエリは「KNOWクエリ」でした。
パクチーを知らない人が多く、「パクチーって何?」というのが検索意図だったのです。
しかし、最近ではパクチーは「BUYクエリ」に変わってきています。
「どこで買えるの?」という検索意図が増えてきているということです。
これもさらに時間がたてば変わると思います。
次は「DOクエリ」として、「パクチーを使った料理を作りたい」なんて検索意図に変化する可能性もあります。
マイクロモーメントは1種類だけではない
マイクロモーメントは4つのどれかにキッチリ収まるとは限りません。
ビッグキーワードで複数の検索意図が含まれる場合、さまざまなマイクロモーメントが考えられます。
先ほど「ラーメン」というクエリを「GOクエリ」に分類しましたが、もしかすると「おいしいラーメンを作りたい」という意図を持って検索する人もいるかもしれません。
その場合は「ラーメン」は「DOクエリ」ということになります。
このように、必ずどれかのマイクロモーメントに分類されるわけではありません。
ユニバーサル検索を見れば、Googleがどのマイクロモーメントに分類しているかの推測はできますが、それとは違う意図を持って検索する人がいるということは覚えておかなければなりません。
狙ったキーワードの検索意図を分析するには、マイクロモーメントだけではなく、検索上位の記事を徹底的に分析することが必要です。