リスティング広告は、GoogleやYahoo!などの検索エンジンと連動してテキストとURLで広告を表示するインターネット広告です。
別名、検索連動型広告とも言われます。
リスティング広告のメリット・デメリット・成果を上げるためのポイントについて見ていきます。
リスティング広告とは?
検索エンジンで知りたいことを調べるために、入力したキーワードに合わせて広告を表示します。
そのため、目的やターゲット層を絞り込んで広告を出稿することができます。
テレビCMや新聞広告では、新車の広告を出しても、車に興味のない人は見向きもしませんが、「2021 新車 燃費」などと検索する人に、新車の広告が表示されれば、興味を持ってもらえる可能性が高いですよね。
リスティング広告は、無限に存在する検索キーワードに合わせて出稿できますので、どんな業種・業態でも利用可能です。
検索キーワードから、何に興味を持っているかが推測しやすいので、購買意欲の高い顕在層にアプローチできて、費用対効果も良い傾向にあります。
listing(リスティング)には、一覧表の作成、という意味があります。
出稿するキーワードのリストを作ることから、リスティングと言われているのでしょうか?
さて、リスティング広告はPPC(Pay per Click)方式で費用が発生します。
Pay per Clickとは、クリックごとに支払う、という意味です。
リスティング広告はユーザーに広告が表示されただけでは費用は発生しません。
ユーザーが広告をクリックしてはじめて費用が発生するようになっています。
また、リスティング広告は、広告を配信した後もキャッチコピーを変更するなどPDCAサイクルを回して、改善しながら運用していくことができます。
新聞広告や雑誌広告は1度作成して掲載したら変更できません。
また広告費をかけて作り直しです。
リスティング広告は、クリックごとに費用が発生する仕組みですから、反応が良くなるまで広告を作り変えていっても、無駄な費用はかかりません。
このような広告を運用型広告といいます。
運用型広告の種類
運用型広告は、検索連動型の他に、コンテンツ連動型があります。
検索連動型は検索結果画面に広告が表示されます。

コンテンツ連動型の広告は、検索結果画面に広告が表示されるのではなく、WEBページの中の内容に合わせて、テキスト・画像を使ったバナー広告や動画広告として配信されます。
Yahoo!知恵袋という有名なQ&Aサイトがありますが、Yahoo!知恵袋のページに表示されているのが、コンテンツ連動型広告です。


Yahoo!知恵袋のページ内に4つの広告が掲載されています。
右上がgalaxyの広告、その下はヤフオクの広告
下の左側がSEO対策の広告、右側がにんにく卵黄の広告
コンテンツ連動型といいながら、このページのコンテンツと関連があるのは、かろうじてSEO対策の広告のみです。
その他の3つの広告はこのWEBページのコンテンツとはまったく関連がありません。
なぜこんなことが起こるのでしょうか?
コンテンツ連動型といいながら、そのWEBぺージの内容と関連しない広告が表示されるのは、リマーケティングされているからです。
リマーケティング(リターゲティングともいう)広告とは、「自社のサイトを訪れたユーザー」に対して、追跡して広告を配信する広告です。
つまりさきほどの画像で「ヤフオク」や「にんにく卵黄」の広告が表示されるのは、私が過去に「ヤフオク」や「にんにく卵黄」に訪れていて、「ヤフオク」や「にんにく卵黄」のサイトがリマーケティング広告を設定しているからです。
コンテンツ連動型広告と検索連動型広告の違い
では、コンテンツ連動型広告と検索連動型広告の違いについてまとめます。
①表示される場所が違う
検索連動型は検索結果画面に表示されます。

コンテンツ連動型はGoogleやYahoo!の広告の掲載枠があるサイトや、YouTubeなどの動画サイトに表示されます。
※Yahoo!JAPANの広告枠

※エキサイトの広告枠

②広告のフォーマットが違う
検索連動型では、テキストでしか広告できませんが、コンテンツ連動型は、テキスト・画像・動画が使えます。
③アプローチするユーザーの質が違う
これが最も重要な違いです。
検索連動型は、特定のキーワードで検索しているユーザーに向けて広告を表示するので、購入意欲の高いユーザーにアプローチすることができます。
ニーズが顕在化しているため、コンバージョン率が高くなる傾向があります。
その反面、自社の商品やサービスをまだ知らない等の潜在層のユーザーにアプローチすることができません。
コンテンツ連動型では、ユーザーにとって、そのときの関心事でない広告が表示されるため、検索連動に比べて、コンバージョン率は低くなります。
しかし、まだ自社の商品・サービスを知らない「潜在ユーザー」にアプローチ出来ると考えれば、メリットとなります。
ただし、広告のコンテンツをかなり工夫する必要があります。
興味のない人の関心を引くための広告クリエイティブでなければ、スルーされるだけでしょう。
ただ、さきほども書いたように、コンテンツ連動型には「リマーケティング」という機能があり、一度自社のサイトに訪れたユーザーを追跡して、広告を表示することが出来ます。
つまり、何度も何度も広告に触れてもらうことができます。
これを、ユーザーが「うざい」と感じるか、「あれ、なんか見たことあるな~、ちょっと見てみようか」と感じるかは、広告クリエイティブ次第でしょう。
コンテンツ連動型広告と検索連動型広告は上記のような違いがあります。
リスティング広告のデメリット
少額から始められるリスティング広告は、リスクも低く、始めるハードルも低いというメリットがありますが、もちろんデメリットもあります。
大きく3つのデメリットが考えられます。
①人気キーワードは入札単価が高騰する
②運用コストがかかる
③継続的に広告費がかかる
①人気キーワードは入札単価が高騰する
リスティング広告はキーワードをオークション形式で入札していくので、人気キーワードは単価が高騰します。
人気キーワードとは、検索ボリュームが大きいキーワードというよりは、購買に近いキーワードです。
例えば、「コラーゲンサプリ 飲み方」というキーワードと「コラーゲンサプリ 通販」というキーワードでは、コンバージョンする可能性が全く違います。
「コラーゲンサプリ 飲み方」というキーワードは、すでにコラーゲンサプリを購入した人が検索するキーワードであると考えられます。
このキーワードをリスティング広告にかける人はいないと思いますが、極端にいうとこういうことです。
購入までの距離が近いキーワード(物販であれば、○○購入のようなキーワード)であれば、検索ボリュームが小さくとも人気キーワードとなります。
また、今はそれほど単価の高くないキーワードでも、いずれライバルが参入してきます。
なぜなら、ライバルもコンバージョンを獲得できるキーワードを常にリサーチしているからです。
ライバルが参入してくると、突然クリック単価が倍になるということも珍しいことではありません。
②運用コストがかかる
リスティング広告は、ターゲットを絞って配信できます。
しかし、どれだけクリックされても、広告の目的を達成できなければ意味がありません。
広告の目的とは、商品の購入・サービスへの問い合わせ・リスト獲得などです。
広告がクリックされているにも関わらず、目的を達成できていないとしたら、キーワードの見直し、広告文の見直し、飛び先のLPの見直しなど、仮説⇒検証を繰り返して最適化していく運用コストがかかります。
最近はAIにキーワード選定させることもできますが、それで最適化できるわけではありません。
AIはキーワード選定はできますが、仮説と検証を自動化できるわけではありません。
運用の手間は必ずかかります。
③継続的に広告費がかかる
これはSEOと比較してのデメリットとなります。当たり前のことですが、広告を出稿するのですから、継続的に広告費がかかります。
リスティング広告のみに頼っている場合、広告出稿を止めたら、売上も下落します。
検索結果への表示という点で考えると、SEOで上位表示させれば、毎日メンテナンスしなくても、ある程度はアクセスを維持できます。
特に企業ドメインであれば、最近は大きく順位が下がるということは少なくなっています。
上位表示させるまでの時間とコストはかかりますが、一度上位表示させれば、メンテナンスコストはそれほどかかりません。
リスティング広告は、設定した予算を消化すれば表示されなくなりますので、常に検索結果に表示されるには、継続的に広告費用がかかることになります。
リスティング広告のメリット
今度はリスティング広告のメリットを見ていきます。
1.ニーズが顕在化した層=買う気のある層にアプローチできる
検索キーワードには、検索動機が表れています。
「鬼滅の刃 全巻」と検索する人は、鬼滅の刃を全巻大人買いしたいという買う気マンマンの人です。
そのような顕在化しているニーズに対して、広告を出せば、買ってもらえる確率は高くなります。
リスティング広告は”広告”というより”個告”に近いイメージです。
これが、コンテンツ連動型(ディスプレイ)広告や、Facebook広告と違うところです。
リスティング広告は検索キーワードの設定次第でニーズが顕在化しているユーザーへ効率的にアプローチできるので、すぐに売上につながりやすいというメリットがあります。
2.状況をリアルタイムで確認できる
GoogleもYahoo!も、管理画面からリアルタイムの現状を把握することができます。
キーワードごとのクリック数やクリック率、インプレッション数やコンバージョン率など詳細まで確認することができるので、PDCAを高速で回すことができます。
逆にしっかり運用しないと、広告費の無駄遣いとなってしまいます。
3.広告出稿まで早い
これはリスティング広告だけに限ったメリットではありませんが、インターネット広告は出稿までが早いというメリットがあります。
広告出そう! と思ったその日に出稿することができます。
早ければ1~2時間で広告を配信できます。
テレビCMや新聞広告、雑誌広告ではそうはいきません。
4.SEOより圧倒的に早く効果が出る
SEOでオーガニック検索からアクセスを集めるには、最低でも半年~1年間はかかります。
これに対しリスティング広告は適切に運用すれば短期間で成果を上げることができます。
SEOでアクセスを集める施策をコツコツとやりながら、リスティングも併用するのが中長期的には最もコストパフォーマンスが高くなります。
オーガニック検索からの流入が増えてくれば、広告費用を少しずつ削っていくことができます。
5.すぐに停止できる
はじめるのもすぐに始められますが、止めるのを一瞬でできます。
うーん、ちょっとCPA悪いなー、広告文とLPを変えよう! と思ったときには、すぐに止めて、改善を加え、再度出稿するということが簡単にできます。
6.気軽に始められる
テレビCMや新聞・雑誌といった媒体に広告を出す際は、1回数百万~数千万円といった広告費を覚悟しなければなりません。
リスティング広告なら数千円の予算からスタートすることができるので、気軽に始めることができます。
失敗しても大きな打撃にはならない範囲ではじめて、最適化しながら、広告費を増やしくというふうに、リスク管理もしやすいです。
7.費用対効果の検証が容易
これもリスティング広告に限ったことではありませんが、アナログ媒体への広告出稿は費用対効果の検証がやりにくいです。
新聞広告を見て買ってくれたのかどうかは、計測が難しいと言えます。
リスティング広告は様々な指標で費用対効果を検証することができます。