下記の記事で解説したように、2020年現在、個人や小さな会社がYMYL分野のキーワードでまともに勝負しても勝ち目はありません。

では、例えば実業で健康食品の販売をしているような小さな会社はSEOでWEB集客することはできないのでしょうか?

いえ、諦めることはありません。

戦略次第ではYMYLの分野でもWEB集客することは可能です。

戦略の要諦の一つは「どこで戦うかを決めること」です。

キーワード(検索クエリ)というのは、いわば「戦う場所」のことです。

戦う場所を変えれば、小さな会社でも十分に勝ち目が出てきます。

WEB上で戦う場所を変えるテクニックが「ずらしキーワード」を使うことです。

キーワードのずらし方がわかると、絶対に勝てない権威性の高いサイトとの戦いを避けて、WEBで集客することが可能になります。

ぜひ参考にしてください。

ずらしキーワードとは?

ずらしキーワードとはメインのキーワードをずらしたものです。

美容サプリメントを販売している会社があるとします。

「肌荒れ サプリメント」というクエリで検索結果の上位になることができれば、多数の見込客を集めることができるでしょう。

しかし、「肌荒れ サプリメント」の検索結果を見ると、1ページ目を大手企業が独占しています。

1位 エスエス製薬
2位 楽天
3位 楽天
4位 mybest
5位 小学館
6位 小学館
7位 小学館
8位 小学館
9位 小学館
10位 DHC

現在のSEOではコンテンツの中身よりもサイトの権威性・信頼性のほうが重視されますので、これらのサイトより詳しく・わかりやすい記事を書いたとしても、まず勝ち目はありません。

それでもWEBで肌荒れのサプリメントを必要とする人をSEOで集客したいというときに有効なのが「ずらしキーワード」です。

まずは私が考える「肌荒れ サプリメント」のずらしキーワードをいくつか挙げてみます。

●野菜 オーガニック
●温泉 日帰り 関東
●美魔女 なるには
●メイク 真似したい 芸能人
●自撮り 加工 やり方
●生活習慣 乱れ
●体内時計 リセット
●恋愛映画 洋画 名作
●発酵食品 効果的な食べ方
●デート服 ブランド

これらのキーワードを見て、勘の鋭い方は「ずらしキーワード」の本質をつかまれたかもしれません。

ずらしキーワードの本質

キーワードをずらすことの本質は「戦う場所を変えること」と「顕在客ではなく潜在客にアプローチすること」です。

戦う場所を変えること

検索クエリというのは、検索ユーザーからの質問です。

ひとつひとつの検索クエリについて検索結果(SERP)が作られるわけですが、それぞれのSERPは戦場です。

戦略の要諦の一つは「自分が勝てる場所で戦うこと」です。

戦国武将、織田信長の戦いとして有名な桶狭間の戦いはまさに戦場設定が勝因でした。

SEOの世界では「自分が勝てそうなキーワードで戦う」ことが重要です。

「肌荒れ サプリメント」のように勝ち目のない戦場に赴くのは時間と労力のムダです。

顕在客ではなく潜在客にアプローチすること

上記のずらしキーワードとしてあげたものを見ていただくと、勘の良いかたはお気づきの通り、潜在客にアプローチするキーワードなのです。

「肌荒れ サプリメント」と検索する人は、「肌荒れに効くサプリメントを買いたい」人であり、ニーズが顕在化しています。

顕在化したニーズだから、成約率は高くなります。だからこそライバルも多くなります。

ライバルに勝てるだけのリソース(ドメインパワー)を持っているなら、そこで勝負するのが最も儲かります。

しかし、多くの会社はそうではないでしょう。

そのときには、成約からは遠くなりますが、潜在顧客にアプローチするしかありません。

「肌荒れ サプリメント」と検索する人はどんな人なのか?その人はどんなライフスタイルで、普段どんなことに興味を持っているのか?

これを突き詰めて考えることで、ずらしキーワードは無限に出てくるはずです。

※思いついたキーワードが勝てるキーワードとは限らないので、リサーチは絶対に必要です。

サジェストキーワードではない

ずらしキーワードのことをサジェストキーワードを深堀りしたものだと思っている人がいますが、これは違います。

サジェストキーワードとは、Googleで検索したときに、メインキーワードと一緒に検索されることの多いキーワードです。

入力の手間を省くためにGoogleが表示しています。

例えばこの図でいうと、「肌荒れ サプリメント ビタミン」はずらしキーワードとは言えないということです。

ニーズが深掘りされて、検索意図はよりわかりやすくなりますが、顕在客にアプローチしていることには変わりありません。

あくまで潜在ニーズにアプローチできるキーワードを「ずらしキーワード」と考えたほうが、より広い範囲にアプローチできるようになります。

類義語や同義語ではない

類義語や同義語を使うことを、キーワードをずらすことだと思っている人もいます。

これは、現時点では通用する場合もあります。

例えば、「肌荒れ サプリメント」を「肌荒れ 健康食品」にずらすということです。

実際にこれらのキーワードで検索したときに、検索結果が異なるのであれば、ずらしたキーワードで勝負するのはありかもしれません。

※「肌荒れ サプリメント」と「肌荒れ 健康食品」の検索結果はほぼ同じなので、この場合はずらしたことになりません。

類義語で検索したときに勝てそうなら、勝負するのはありかもしれませんが、近い将来、この方法も通用しなくなると思います。

Googleはテキストベースではなく、コンテクスト(文脈)ベースで検索結果を作ろうとしているからです。

それが現れているのが「BERTアップデート」です。

BERTアップデートとは、検索クエリの意味・文脈を理解して、より関連性の高い検索結果を返すためのGoogle検索アルゴリズムアップデートのことです。

このアップデートによって大きく変わってきたことがあります。

それは、タイトルにキーワードを含める重要性です。

今までのSEOの常識では、タイトルに(しかもできるだけ最初に)狙うキーワードを入れる必要がありました。

しかし、2020年現在、その重要性が低下してきています。

例えば、「映画 新作」で検索してみると、このような結果が返ってきます。

1ページ目の10サイトのうち、「映画 新作」のキーワードを使っているのは2サイトのみです。

1位から7位のサイトでは「映画 新作」をタイトルに使っていないのです。

このように、今後は文脈を理解した検索結果が増えてくると思われます。

つまり、類義語、同義語を使っても、同じ文脈として、同じ検索結果になる可能性があるということです。

短期間であっても上位表示できればOKということであれば、類義語・同義語で勝負すればいいと思いますが、本当の意味でサイトを資産にしたいのであれば、この方法はおすすめしません。

キーワードをずらすメリット

ここまで説明してきたことの繰り返しもありますが、キーワードをずらすメリットをまとめてみます。

●小さな会社でもWEBで集客できるようになる
●競合が少なくなる
●アプローチできる潜在客が増える

このようなものがあります。

競合が少なくなって、アプローチできる潜在客が増えることで、小さな会社でもWEBで集客できるようになります。

しかし、実はキーワードをずらすことにはデメリットもいくつかあります。

これらデメリットを頭に入れて、ずらしキーワードの選定をすることが大切です。

デメリット・注意点

ずらしキーワードを使うデメリット・注意点は次のようなものがあります。

●難しい
●ずらしても競合が強いことがある
●検索需要がないことがある
●成約率は下がる
●サイトの専門性が低下しがち

それぞれ説明していきます。

難しい

単純にずらしキーワードを選定するのは難しいです。

通常のSEOキーワードを選定する流れは、自分の商売に関するメインキーワードを決めたら、あとはその複合キーワードで記事を書いていくというものです。

ツールで発見できるキーワードなので、誰でもキーワード選定できます。

しかし、ずらしキーワードはそうはいきません。

この後、手順を説明しますが、リサーチ力と想像力が必要になります。

ただ、その分ライバルが思いつかないようなキーワードで集客できるようになります。

ずらしても競合が強いことがある

これは、ずらしキーワードを探しているときのあるあるです。

「肌荒れ サプリメント」のずらしキーワードとして「肌荒れ 健康食品」を思いついたとしても、競合の強さは変わりません。

また、「美容液 保湿」というずらしキーワードを思いついたとして、1ページ目に入るのは不可能ではないかもしれませんが、これも競合は相当強いです。

このように、キーワードをずらした先でも競合が強いことはよくあります。

検索需要がないことがある

ライバルが弱いキーワードを探そうとすると、今度は検索需要がなく、1位になってもアクセス0という状況になりかねません。

例えば、「産後 肌 シミ」というキーワードを思いついても、検索ボリュームは0です。

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ちなみにこのキーワードはライバルも弱いわけではありません。

こういう、ライバルもそこそこ強く、検索需要0というキーワードで記事を書くのは、まったく時間の無駄以外の何物でもありません。

成約率は下がる

潜在ニーズを捉えるのがキーワードをずらす目的ですので、顕在ニーズを捉えるキーワードより成約率は下がります。

「掃除機 おすすめ」と検索する人と、「家事 時短」で検索する人では、どちらが掃除機を買う可能性が高いかという話です。

サイトの専門性が低下する

スポーツ情報、美容情報、アウトドア情報、レシピ情報など、さまざまなテーマが混在しているサイトというのは、専門性が高いとは思えません。

このようなサイトはGoogleが重視する専門性を高めることに逆行しています。

ずらしキーワードを使うと、テーマが飛ぶことがあるので、サイトの専門性低下に注意しなければなりません。

冒頭にあげたずらしキーワードを見ていただくと

●野菜 オーガニック
●温泉 日帰り 関東
●美魔女 なるには
●メイク 真似したい 芸能人
●自撮り 加工 やり方
●生活習慣 乱れ
●体内時計 リセット
●恋愛映画 洋画 名作
●発酵食品 効果的な食べ方
●デート服 ブランド

テーマはバラバラです。

これらを同じサイト内で展開すると、サイトの専門性は低下するでしょう。

しかし同じテーマの中でキーワードをずらすのは難易度が高いです。

なので、別ドメインでサイトを立ち上げて、メインサイトへのアクセス動線にするという考え方がいいかもしれません。

ずらしキーワードについては、これらのメリット・デメリットを考慮して、コンテンツを作るかどうかの意思決定をしましょう。

キーワードをずらす手順

では、ここから実際にキーワードをずらす手順を解説します。

最終的な目的は、肌荒れに効くサプリメントを売ることだとします。

しかし「肌荒れ サプリメント」というキーワードでは勝負しても勝てる見込みがないので、キーワードをずらすという想定です。

1.ペルソナを設定
2.キーワードピックアップ
3.ストーリー構築

順番に見ていきましょう。

1.ペルソナを設定

ペルソナとは

ペルソナとは、ラテン語で「仮面」を意味する言葉でしたが、今ではマーケティング用語として、自社商品のユーザー像のことを指します。

ペルソナとターゲットの違いは、いろんな説明の仕方がありますが、最も単純にいうと

ターゲット・・・同じ属性の人の集合
ペルソナ・・・具体的な一人

ということになります。

30代未婚女性をターゲットにした場合、その属性の中の具体的な一人がペルソナとなります。

ペルソナ設定の方法について最も簡単なのは、身近な誰かをイメージすることです。

身近にいる30代未婚女性をイメージして、次の項目を含めて、詳細なプロフィールを作るイメージです。

ペルソナを作るときの項目

  • 名前
  • 年齢
  • 性別
  • 住んでいるところ
  • 職業(内容、役職)
  • 収入、貯蓄状況
  • 学歴
  • ライフスタイル(起床・就寝時間、通勤時間、勤務時間、休日の過ごし方)
  • 性格、価値観
  • 人間関係、家族構成
  • 趣味、興味
  • 不満、悩み

ペルソナ設定のコツは、必ず名前をつけるということです。名前があると不思議とリアル感が増してきます。

ペルソナ設定例

上記の項目をもとに、ペルソナを設定してみました。

鈴木愛。東京都杉並区在住。出身は秋田県秋田市。28歳独身。渋谷のIT企業でプログラミングを担当。秋田の高校を卒業後、東京の私大に入学して一人暮らしを始めた。卒業後、都内の不動産会社で営業をしていたが、3年前にIT業界に転職して年収が450万円にアップ。貯金は100万円弱。自宅から会社までの通勤時間約40分はiphoneで英会話の勉強。リスニングの時間にあてている。将来はシリコンバレーに研修に行きたいと思っている。生活は不規則で深夜まで仕事をすることも度々。同僚と飲みに行くことも多く赤ワイン好き。PCの画面とにらめっこの生活が続き、慢性的に眼精疲労、肩こりに悩んでいる。休日はインドア派でネットフリックスで映画を見たり、小説を読んだりして過ごす。好きな女優はナタリー・ポートマン。小説は辻村深月の大ファン。不規則な生活を気にして最近は食べ物にこだわっている。オーガニック野菜と無農薬玄米食に凝っている。

本当はこの3倍くらいの分量でペルソナ設定するのがいいのですが、とりあえずはこれくらいにして、次に進みます。

2.キーワードピックアップ

上記のペルソナ設定に使った言葉の中からキーワードとして使えそうなものをピックアップします。

何をピックアップするかは経験値によるところが大きいので、数をこなすと精度が高まります。

今回は次のキーワードをピックアップしてみました。

・一人暮らし
・英会話
・生活 不規則
・赤ワイン
・眼精疲労
・肩こり
・インドア
・ネットフリックス
・映画
・小説
・ナタリー・ポートマン
・辻村深月
・オーガニック野菜
・無農薬
・玄米

さて、この女性に肌荒れに効くサプリメントを売るには、どのキーワードを選定するのがいいでしょうか?

3.ストーリー構築

上記にあげたキーワードから、肌荒れに効くサプリメントに興味を持ってもらうためには、ストーリーを作る必要があります。

「生活 不規則」というキーワードであれば、肌荒れにつながるストーリーは描きやすそうです。

不規則な生活 → 睡眠不足 → 肌への負担 → 肌荒れサプリ

こんな感じで直線的につながりそうです。

また、「ナタリー・ポートマン」であれば

主演映画解説 → プロフィール → 実はヴィーガン → ナタリー・ポートマンの美肌の秘密 → 肌荒れサプリ

こんな感じでいけそうです。

これは、いわば三題噺のような感覚といえるでしょう。連想ゲームといってもいいかもしれせん。

まったく関係のないものをつなげる練習を数多くしていくと、自然とストーリーが思い浮かぶようになります。

もちろん、ずらしたキーワードの検索ボリュームや、実際に記事を書くときの複合キーワードを何にするか、そのキーワードでライバルに勝てるかどうかは徹底的なリサーチが必要です。

リサーチの手順については別記事にまとめます。

ここまでペルソナ設定から、ずらしキーワードを発掘する方法を解説しましたが、実はもっと簡単な方法もあります。

ずらしキーワードを発掘するもっと簡単な方法

ペルソナ設定からキーワードを選定するほうが、記事が書きやすくリアリティも出るのですが、ずらしキーワードを発掘するだけなら、ヤフー知恵袋のようなQ&Aサイトを使うと簡単です。

ヤフー知恵袋で「肌荒れ サプリメント」と検索してみましょう。

この検索結果から、広告は無視してQ&Aを開いていきます。

(出典:YAHOO知恵袋

「肌荒れ サプリメント」と検索する人が他にどんな言葉を使っているのかをチェックして、ペルソナ設定のところでやったように、使えそうなキーワードをピックアップしていきます。

例えばあるQ&Aからは、次のようなキーワードを拾うことができました。

・ニキビ
・化粧のり
・青汁
・ヨーグルト
・ファンケル
・野菜 ビタミン
・食生活 偏り

20~30のQ&Aを見ていけば、かなりの数のキーワードをピックアップできるはずです。

あとは、検索ボリュームを調べて、ライバルチェックを行い、勝てそうなキーワードを選定したら、ストーリー構築という流れです。

以上、ずらしキーワードの発掘方法でした。