✅北欧、暮らしの道具店は、なぜ多くのSNSフォロワーがいるのか?どうやって増やしたのか?

✅わずか60名の会社が、なぜ月間1,500万PVを超えるモンスターサイトを作ることができたのか?

コンテンツマーケティングを成功させるには、成功している企業を研究して、そのエッセンスを分析して、自社に取り入れるのが一番近道です。

自社のサイトと何が違うのか?どこに差があるのか?こういうことを分析することで自社サイトを向上させるキッカケになります。

この記事では、「北欧、暮らしの道具店」のコンテンツマーケティングが成功した理由について、WEB解析士の視点から考察してみました。するとコンテンツマーケティングで成功するための考え方が見えてきました。さらにすぐに取り入れることのできる施策も見つけましたよ!

具体的には次の内容をお届けします。

①「北欧、暮らしの道具店」のサイト・SNSの概要とパフォーマンスについて
②「北欧、暮らしの道具店」のコンテンツマーケティングの3つの特徴
③「北欧、暮らしの道具店」のコンテンツマーケティングから学んだこと

ぜひ最後まで読んでみてください。

「北欧、暮らしの道具店」のサイト・SNSの概要とパフォーマンス

「北欧、暮らしの道具店」を運営する株式会社クラシコムは、2019年7月期の売上高が約27.5億円。従業員数は60名となっています。

(参考:https://www.green-japan.com/company/4701

1人当たり売上高は約458万円ということになります。

EC事業にしては物足りないなという感じは否めませんが、将来への布石として人員を拡張したのかもしれません。

また「北欧、暮らしの道具店」のコンテンツマーケティングの特徴でもありますが、コンテンツをすべて内製化しているようなので、スタッフが必要なのでしょう。

コンテンツを外注化すれば1人あたり売上高は劇的に高まるでしょうが、コンテンツを内製するというところにこだわりを感じます。

まずは、「北欧、暮らしの道具店」のサイト・SNSの概要とパフォーマンスについて確認しておきましょう。

WEBサイト

(参考:https://pro.similarweb.com/

サイトのPVは月間1500万とも1600万とも説明しているサイトがありますが、シミラーウェブで調査したところ、直近の2020年6月のパフォーマンスは次のようになっていました。

月間セッション数が約200万。平均PVが3.03なので、だいたい600万PVというところです。

シミラーウェブは概算でしか算出できないので、さまざまなインタビューで語られている月間1500万PVというのが正しいのでしょう。

ドメイン取得は2007年8月14日になっていたので、13年も運営しているんですね!

流入チャネルを確認すると、ダイレクトとオーガニック検索が半々くらい。ダイレクトが多いのはファンがついている証拠ですね。

(参考:https://pro.similarweb.com/

YouTube

(参考:https://www.youtube.com/channel/UCb-cMiVs0yGmi2IPmowLC5Q

YouTubeのチャンネル登録者数は27.3万人。最初の投稿は2013年2月6日なので、YouTube歴も長いですね。

動画の本数は185本。総再生時間は2969万時間です。(いずれも2020年7月現在)

動画に力を入れ始めたのはここ1年くらいのことのように見えます。

WEBドラマを制作して、その動画をもとに映画化も決定しているようです。

インスタグラム

(参考:https://www.instagram.com/hokuoh_kurashi/?hl=ja

「北欧、暮らしの道具店」のSNSでフォロワーが最も多いのがインスタグラムです。

フォロワー98.2万人というのは、小売企業では無印良品、ダイソーに次ぐくらいの規模ではないでしょうか。

twitter・フェイスブック・ピンタレスト

その他のSNSでは以下のようになっています。

twitter・フォロワー数 約3.6万

フェイスブック・フォロワー数 約42万人

ピンタレスト・フォロワー数 約4.4万人

(参考:https://twitter.com/hokuoh_kurashi
(参考:https://www.facebook.com/hokuohkurashi
(参考:https://www.pinterest.jp/hokuohkurashi/

最初に流入チャネルを確認しましたが、ソーシャルメディアからWEBサイトへの流入はそれほど多くありません。

ただ、検索ワードを確認すると指名検索が多いので、ソーシャルで「北欧、暮らしの道具店」に触れて、Googleで指名検索をするという流れができているのでしょう。

「北欧、暮らしの道具店」のメディアパフォーマンスを確認したところで、次に「北欧、暮らしの道具店」のコンテンツマーケティングの特徴を見ていきます。

②「北欧、暮らしの道具店」のコンテンツマーケティングの3つの特徴

私が感じた特徴は次の3点についてです。

1.世界観を売る
2.ロイヤルカスタマー重視
3.差別化戦略

それぞれ説明します。

特徴1.世界観を売る

他にもいくつかの企業のコンテンツマーケティングを分析・考察してきましたが、成功しているコンテンツマーケティングに共通するのは、「商品・サービス」を売らないということです。

売り込んだら、その場は買ってくれる人もいるかもしれませんが、嫌われて終わるというのがほとんどでしょう。

時間はかかりますが、企業の価値観を発信して、企業を好きになってもらうというブランディングを考えるべきだということです。

さて、「北欧、暮らしの道具店」では、世界観を作るために、次の手順で考えました。

・世界観を作る

誰に買ってもらいたいのか?

その人たちはどのような世界観を好むのかの調査(どんな雑誌を読んでいるのか、どんな音楽を聞いているのかなどを調査)

買ってもらいたい人が好むコンテンツを提供する。具体的には食器などのビンテージ品の「歴史」を語るのではなく、実際に使われている様子を発信するなど。

・コンテンツの内製化

「北欧、暮らしの道具店」の世界観にあったコンテンツを制作するには、外注するよりも内製化するほうがベターでしょう。

記事作成から撮影、デザインもすべて社内でやっているそうです。

ほぼ全員が未経験からのスタートで、社内で教育をします。

「北欧、暮らしの道具店」がコンテンツを発信する目的はお客様とのコミュニケーションなので、客観的な視点でコンテンツを作るのではなく、主観で作ることを意識しています。

外注して外部の人間が主観的に作るよりも、内部の人間が主観的に作るほうが自社の世界観はより濃くあらわれるだろうことは想像できます。

・数字だけを追わない

コンテンツマーケティングに取り組む企業では数字を気にしないというところが多い気がします。

なかにはKPIすら設定していない企業もあります。

「北欧、暮らしの道具店」の場合は2つのKPIを設定しているようです。

それは、「読了率」と「過去20回以上サイトを訪問した人の割合が50%前後をキープしたまま、絶対数が毎月純増しているか」の2つです。

ちょっとわかりにくいですが、要は常連の絶対数を増やすというのがKPIです。

とはいえ、コンテンツ制作では、「自分が読者として読みたいコンテンツを作る」という価値観があります。読者が読みたいコンテンツと、自分が作りたいというコンテンツのどちらを重視するかという問題です。

もちろん読者が読みたいコンテンツを作るのが大切です。

以上、第一の特徴は「世界観を売る」ということでした。

2.ロイヤルカスタマー重視

コンテンツをSEOで上位表示したり、SNSでバズらせれば、新規集客はできます。しかし「北欧、暮らしの道具店」が目指すのは、メディアとしてユーザーと長期的な関係を築くことにあります。

そして、彼らは、「個別の記事をバズらせることと、メディアとしてユーザーと長期的な関係をつくることは別もので、この二兎を追うのは難しい」と考えていましす。

(参考:https://markezine.jp/article/detail/19209?p=3

だから、「北欧、暮らしの道具店」では、ユーザーとのエンゲージメントを重視しています。

具体的には、ハイコンテクストなコンテンツを作るということです。

例えば、レシピ動画を作れば、より多くの人にアプローチできるけれど、それはローコンテクストなコンテンツです。

ユーザーがレシピ動画でその企業に愛着を感じてファンになるかというと、それは難しいでしょう。

レシピ動画は、どこが作ってもそれほど大きな差にはならないからです。

「北欧、暮らしの道具店」のことを全く知らない人が見ても楽しめるコンテンツではなく、コンテンツのPVが少なくなったとしても、「北欧、暮らしの道具店」の価値観に共感してくれる人を増やそうとしているのです。

(参考:https://visual-shift.jp/5187/

3.差別化戦略

「北欧、暮らしの道具店」は差別化戦略が面白いなと感じます。

差別化戦略は大きく分けると3つしかありません。

1)手軽軸:早い、安い、便利、で差別化
2)商品軸:高品質、最新技術で差別化
3)密着軸:顧客の個別ニーズに応えて差別化

(引用:http://www.sandt.co.jp/sabetsukajiku.htm

物販の場合、多くは手軽軸か商品軸で差別化しますが、「北欧、暮らしの道具店」は密着軸によって差別化しています。

それは社長のインタビューの次の言葉に表れています。

私達がコンテンツで成し遂げたいのは「自分のことをわかってくれている」「自分が大事にされている時間を持てた」といった感覚

(引用:https://visual-shift.jp/5187/

ECサイトがやることといえば、広告を出して1回買ってくれた人にメルマガを送って、そのメルマガも商品案内ばかりで・・・というパターンです。

しかし、「北欧、暮らしの道具店」では世界観を感じられるコンテンツを発信することで、その世界観を好む人にピッタリの商品を紹介しています。

いや、紹介という言葉は正確ではありません。

その商品を使っている”人”にフォーカスして、その商品を使うことで、どんな気持ちになるのかというコンテンツ作りをしています。

日常生活の中に、その商品を取り入れることで、「あなたの生活は豊かになりませんか?」という問いかけです。

このように、ユーザーに「あ、私の欲しいやつがここにあった!」という感覚を持ってもらうコンテンツ作りをしているということです。

だからCVRを高めようという気があまりないようです。

「CVRを高めること=迷っている人の背中を押すこと」と捉え、それが再利用につながるのか、未来の売上につながるのかという疑問を持っているのです。

CVRを高めることはリスクのある施策だと考え、CVRは低くてもいいから質の高いアクセスを増やすことを重視しているそうです。

(参考:https://markezine.jp/article/detail/19209?p=3

密着軸で差別化するということは、必然的にその企業を好きな人を相手にすることになりますので、価格競争に巻き込まれにくく、顧客のライフタイムバリューを高めることにつながります。

③「北欧、暮らしの道具店」のコンテンツマーケティングから学んだこと

・世界観を売ることの効果と手順

世界観を売ることで、その世界観を好きな人が集まる。その人たちとのエンゲージメントを高めることでライフタイムバリューが増加する。

世界観を作る前に、誰をお客にしたいかを考える。そしてその人たちが好むものを徹底的にリサーチする。

商品をPRしないというのが、成功するコンテンツマーケティングの法則になってきているような気がします。

・買う気がない人を集める

クラシコムの社長のインタビューを読んでいて、面白いなと思ったのが次の言葉です。

「買い物に来る人」ではなく、「まだ買い物をする気がない人」にサイトに来てもらえれば、広告費はゼロにできる、という仮説。

この仮説が正しければ、軸足を「まだ買い物をする気がない人」に移すことで、集客は困らなくなります。

ただ、全く興味のない人が来ても無駄なので、僕らの世界観やカルチャーに親近感を持ってくれる方を対象としました。

親近感は持つけど、製品を買うことにはまだ興味のない方々が、ちょっと暇なときに開いてくれるメディアになれば、広告がなくても集客ができると思ったんです。

(引用:https://seleck.cc/860

正直、この仮説のロジックはよくわからないのですが、要は「成約からは遠いけど潜在的見込客を集めるメディア作りをしようと思った」ということだと解釈しています。

人は何かを買うという意思決定をする場合、どこで買うかの候補が瞬時に頭の中にいくつか浮かびます。

「ティーカップを買おう」と思ったときに、○○百貨店、無印良品、アマゾン、ダイソーなど、複数の選択肢が頭に浮かびます。

でも、毎日毎日ティーカップを買おうと考える人はいなくて、ある日突然、考えるタイミングがやってきます。

そのタイミングで頭に「北欧、暮らしの道具店」を思い浮かべてくれる人が多ければ多いほど理想です。

買う気がない人でも、いざ買わなければとなったタイミングで思い出してもらうために、潜在見込客に向けてたくさんのコンテンツを発信することは、将来の売上を作るために重要なことだというのがよくわかりました。

最後に、「北欧、暮らしの道具店」は珍しく、YouTubeのコメント欄を閉じています。なんでだろう?と思っていたのですが、下記のように、Googleフォームで感想を送ってもらう仕組みにしているんですね。

これはYouTubeに限らずサイトの記事でも同じようにGoogleフォームで感想を送ってくださいというコンテンツがありました。

直接コメントしてもらうのと、Googleフォームで送ってもらうのと、具体的にどんな差が出てくるのかは、やったことがないのでわかりませんが、顧客とのエンゲージメントがより高まるのかもしれないですね。

これはどこかで取り入れてみようと思いました。

以上、「北欧、暮らしの道具店」のコンテンツマーケティングから学んだことでした。