Facebook広告を実際に出稿しようと、広告マネージャを操作したとき、
「キャンペーンとか広告セットとか広告ってなんだよ!なんで分かれてんだよ!」って思う人いないですかね?

少なくも私は最初の頃、意味がわかっていませんでした。
Facebookの公式ヘルプは不親切で読みたくないし、頑張って読んでも、キャンペーン・広告セット・広告は、どう使い分ければいいの? ということはさっぱりわかりません。
慣れてくると、使い分けることによって、管理がやりやすくなるなと思うようになりました。
今回は、Facebook広告の構造と、キャンペーン・広告セット・広告のおすすめの使い方を解説します。
Facebook広告の構造
キャンペーン・広告セット・広告とあるように、Facebook広告は3層構造になっています。

キャンペーンでは目的を決める
広告マネージャの左上の作成をクリックして出てくる選択画面にあるのが、Facebook広告の「目的」です。
大きく「認知」「検討」「コンバージョン」と別れていて、さらに細分化されています。

一応、目的を全部解説すると次のようになります。
ユーザーの購買意欲のレベルによって分けているようです。
FacebookのAIがユーザーの行動を追いかけて、「お、この人はダイエットしたいらしい。なんだかサプリメントを買おうとしているようだ」みたいな判断をして、購買意欲のレベルに応じてセグメントしているのでしょう。
自社の商品・サービスを知らない人に知ってもらう。顕在ニーズ層へのアプローチが目的。
●ブランドの認知度アップ:商品・サービスを認知してくれる可能性が高い人にアプローチする
●リーチ:できるだけ多くの人に商品・サービスを知ってもらう
何かのメリットを得るために、商品・サービスを比較検討しているユーザーにアプローチすることが目的。
●トラフィック:サイトへのアクセス数を増やす、アプリの利用者を増やす
●エンゲージメント:投稿やページへの、いいね!やコメントを増やす
●アプリのインストール:アプリをダウンロードしてもらう(アプリストアに誘導)
●動画の再生数アップ:動画を再生してもらう
●リード獲得:メールアドレスなどの情報を獲得する
●メッセージ:メッセージ機能を使って問合せなどをしてもらう
購入・来店を促進することが目的。
●コンバージョン:Webサイトやアプリの利用者を増やす
●カタログからの販売:あらかじめ設定するカタログから、ターゲットに応じた製品を表示する
●来店数の増加:店舗などに来店してもらう
目的を変えると、何が変わるのかはよくわかりません。
広告配信するターゲットが変わるのでしょうか?
この目的の中で、多く使うのは「エンゲージメント」と「コンバージョン」かなという気がします。
広告セットで決めるのは目的を達成するための戦術
キャンペーンを設定した後、次に広告セットを設定します。
広告セットの意味
広告セットは、キャンペーンの目的を達成するための戦術を考える段階です。
●ターゲットをどうするか?
●配信スケジュール(時間帯の設定)
●予算をどうするか?
この設定によって、成果は大きく変わります。
限られた予算で運用するには、最も反応が高いと考えられる時間に広告を配信しようと考えるのは当然です。
最も反応が高いと考えられる時間とは、Facebookユーザーができるだけ多くオンラインになっている時間帯です。
一般的に9時~15時の間はオンラインユーザーが減る傾向にあります。
普通に考えれば、この時間帯を避けて広告配信しようという考えになります。
※ターゲットについては、自分で設定するより、カスタムオーディエンスを使って、FacebookのAIに任せたほうが好結果につながります。
広告セットの機能
広告セットには、次の機能があります。
・予算と掲載期間
・ターゲット
・配置
・最適化と配信
・予算と掲載期間
まずは広告予算を設定します。
「1日の予算」か「通算予算」かどちらかを選びます。

開始日時を決めます。
終了日を決めます。

※1日の予算を選んだ場合は、終了日は入れなくてもOK。通算予算の場合は、終了日の入力が必須です。
「通算予算」を選んだ場合は、「その他のオプション」をクリックして、広告の配信スケジュールを設定することができます。

※「1日の予算」で設定した場合は、配信スケジュールの設定はできません。

・ターゲット
広告セットではターゲットを絞ることができます。

絞り込みの項目は
地域・年齢・性別・利用者層・興味関心・行動です。
例えば、下記のようにターゲットを絞り込むことができます。

地域・・・岡山市半径17㎞圏内
年齢・・・30~50歳
性別・・・女性
興味関心・・・ヨガ
このようにして、絞り込むことで、より明確なターゲット選定ができます。
ターゲットの絞り込みは、マウスのカーソルを持っていくと現れる「編集」をクリックして行います。

さて、Facebook広告ではこのように、詳細にターゲットを絞り込むことができますが、絞り込むことによるデメリットがあります。
それは、絞り込めば絞り込むほど、対象人数が少なくなるということ。
つまり、広告を配信できる人数が少なくなるのです。
上記の例でいうと、
コンバージョン率は高くなるでしょうが、コンバージョン数が限られてしまいます。
それに、Facebook広告は潜在ニーズ層へのアプローチに向いた媒体なので、ターゲティングはFacebookのAIに任せておく方が賢明です。
配信できるユーザー数が絞られると、CPC、CPMといった数値が高くなり、費用対効果が悪化します。
デフォルトで表示される下記の設定のままでOKです。
地域・・・日本
年齢・・・18~65+
性別・・・すべての性別
詳細ターゲット設定・・・オフ
ターゲットを絞らずに広告を配信するといっても、やみくもに広告が配信されるわけではありません。
ターゲットの絞り込みはAIがやってくれるということです。
私たち広告を出稿する側がやらなければならないのは、クリエイティブ作成を考えることです。
クリエイティブとは、配信する広告で使う画像とテキストの組み合わせのことです。
このクリエイティブの内容によって、FacebookのAIがどのユーザー層に配信するかを決めていきます。
なので、最初は大雑把な配信にならざるを得ないのですが、配信後のユーザーの反応を見ながら、最適化していってくれます。
※ただし、店舗への集客を目的とする場合には、地域の絞り込みは必要です。
・配置
配置で、ターゲットに対して広告を表示する適切な場所を設定することができます。

といっても、デフォルトの自動配置を変更する必要はありません。
目的を達成するのに効率的な場所に広告が表示されるように自動で最適化してくれます。
配置を変えるのは、モバイルのみに配信したい、特定のプラットフォームを除外したいという意図がある場合だけです。
・最適化と配信
「最適化と配信」では、広告を配信するときに、どの項目を最も重視するかを設定できます。

上図では、キャンペーンの目的を「エンゲージメント」に設定したときに、広告配信をどこに最適化するかを選択する画面です。
- 投稿のエンゲージメント
- デイリーユニークリーチ
- インプレッション
この3つのどこに最適化するかですが、投稿のエンゲージメントに最適化して広告配信するのがベターです。
インプレッションに最適化して、多くの人に広告が配信されたとしても、リアクションが得られなければ無駄打ちです。
また、「最適化と配信」ではコストコントロールの設定もできます。

「広告」の機能
広告では、画像・動画・テキストなどのクリエイティブを設定します。
広告フォーマットもここで選びますが、最初に設定したキャンペーンの目的によって、選択できるフォーマットは変わります。
Facebook広告のフォーマットは10種類ありますが、表示されたフォーマットしか選べません。
選択した形式により、推奨される画像のサイズやアスペクト比(縦横比)が変わることに注意が必要です。
キャンペーン・広告セット・広告の使い分け
ここまで解説したとおり、Facebook広告は3階層のツリー構造になっています。
ひとつのキャンペーンに複数の広告セット、ひとつの広告セットに複数の広告をセットすることができます。
3階層に分ける意味がわからん! という人もいるでしょうが、使い方によっては広告運用や広告の比較を効率よく行えます。
広告運用を効率化するには、どのように階層分けしていけばいいのか、ポイントを説明します。
1.効果を比較したい対象によって分類する
キャンペーンの目的を「エンゲージメントの獲得」に設定した場合。
広告セットを複数作成して、「ターゲット」だけ変更すれば、ターゲット設定による効果を比較できます。
同じターゲットに対して、「広告」を複数作成し、クリエイティブを変えて比較することもできます。
同じ階層の数値を比較すれば、どちらが効果的だったか簡単に把握でき、効果が低かった広告をすぐに停止できます。
2.ターゲット設定をするならよく考えて
キャンペーンを作成して、広告セットでターゲット設定をするとき、ターゲットが被らないように設定しないと、リーチが伸びません。
例えば、「20~29歳の女性」と「ダイエットに興味がある女性」では、重複する可能性が高いと考えられます。
リアル店舗への集客であれば、エリアを絞ることは必要ですが、それ以外はFacebookのAIに任せた方が効率的です。
3.広告を増やしすぎない
広告セットで予算を設定するので、広告を細かく分けると、1広告あたりの予算が少なくなります。
広告の配信量が少なすぎると効果測定も正しくできないため、一定程度の予算を確保できるように広告セットを分けて広告を作成しましょう。