コンテンツマーケティングという何だか儲かる手法が流行っているらしい・・・。
そんな話を聞いて、「我が社でもコンテンツマーケティングを取り入れよう!」と考える中小企業の社長さんが増えているようです。小さな会社でもコンテンツマーケティングで大きな成果を上げる事例が増えているからでしょう。
しかしコンテンツマーケティングにはもちろん大きなメリットがありますが、デメリットもあるのです。
このデメリットを甘く見ていたために、コンテンツマーケティングに取り組んだものの、何の成果も上がらずに終了、なんて会社が多いのも事実です。
コンテンツマーケティングの罠に陥らないように、この記事でコンテンツマーケティングのメリット・デメリットをしっかり理解してください。
コンテンツマーケティングの4つのデメリット
まずは、コンテンツマーケティングにはどんなデメリットがあるのか確認してください。
そしてこれらのデメリットを克服できるかどうかチェックしてみてください。次にコンテンツマーケティングのメリットを確認して、取り組む価値があると思ったら、すぐに取り組んでいきましょう!
コンテンツマーケティングのデメリットは次の4つです。
デメリット1.成果が出るまでに時間(半年~1年)がかかる
デメリット2.継続するのが難しい
デメリット3.コンテンツ制作コストがかかる
デメリット4.参入障壁が低い
これ以外にコンテンツマーケティングのデメリットとして、「リーチできる範囲が狭い」「効果測定が困難」などが挙げられている場合もありますが、これらはコンテンツマーケティングのデメリットとして存在するものではありません。
コンテンツマーケティングでリーチできる範囲は、プラットフォームとして検索エンジンとSNSを併用すれば、とてつもなく広くなります。
さらに効果測定が困難というのは、KPIの設定がきちんとできていないからです。
効果測定ができるようにコンテンツマーケティング自体を設計するべきでしょう。
特にWEBでコンテンツマーケティングを行う場合は、効果測定をするためのツールはたくさん存在します。
Googleアナリティクス、サーチコンソールの2つだけでも十分な効果測定と検証・改善ができます。
では、ここで上げるコンテンツマーケティング3つのデメリットについて説明します。
デメリット1.成果が出るまでに時間(半年~1年)がかかる
正確にいうと、成果が出るまでに時間がかかるのはSEOをベースにしたコンテンツマーケティングです。
成約まで近い人をターゲットにしたコンテンツを作って、バンバン広告費を使って露出すれば、成果はすぐに見えてきます。
しかし、一般的にコンテンツマーケティングと言われる場合、潜在顧客(成約まで遠い)にアプローチして、コンテンツによってニーズを顕在化させることを目指しています。
例えば英会話教材を販売するなら、留学が決まっているとか、海外への赴任が決まっているというニーズが顕在化している層をターゲットにするほうが売りやすいでしょう。
しかし、いつかできれば英語を利用する職業に就きたいとか、いつか字幕なしで外国映画を見れるようになりたいという人は英語を学ぶ緊急性はありません。
さらに、英語を習得することで就業機会が増えたり、年収アップのチャンスがあるということに、現在興味関心がない人もいます。
これらの層のように、英語を勉強する緊急性がない人に英会話教材を販売するのは難しいでしょう。
しかし、「今すぐ必要」という顕在ニーズよりも、緊急性のない潜在ニーズのほうがはるかにマーケットは大きいのです。
これらの層にアプローチして、英会話の重要性を教育し、ニーズを顕在化させていくのがコンテンツマーケティングの目的のひとつです。
だから、潜在顧客にアプローチして、販売につなげるまでには時間がかかるのです。
さらに現実的な話をすると、SEOをベースにしたコンテンツマーケティングというのは、潜在顧客が検索しそうなキーワードに答える記事を書いて、その狙ったキーワードでGoogle検索で上位表示するということです。
自分のことを考えれば想像できると思いますが、例えば「英会話 教材 ネイティブ」などと検索したとして、3ページ目、4ページ目まで記事を読みますか?
多くの人は検索結果1ページ目にあるコンテンツを見るのではないでしょうか。
つまりSEOをベースにしたコンテンツマーケティングには、1ページ目の10個のスペース(もっというと3位以内のスペース)を争うライバルがいるのです。
これらのライバルに勝たないと(つまりライバルよりユーザーにとって役にたつコンテンツを作らないと)検索結果の上位に表示されません。
検索結果の上位に表示されなければ、そのコンテンツは存在しないのと同じです。
誰にも見られませんから。
だから、SEOベースのコンテンツマーケティングの場合、成果が出るまでに時間がかkるというより、成果がまったく出ないという可能性もあるのです。
そして成果が出るとしても、Googleがあなたのコンテンツを評価するのに時間がかかります。
月間検索ボリュームの大きなキーワードは、狙う企業も多く、必然的にライバルが多くなりますので、競争が激しくなります。
検索ボリュームの大きなキーワードほどGoogleが評価するまでの時間も長くなる傾向があります。
以上、コンテンツマーケティングのデメリット1は、成果が出るまでに時間がかかる(もしくは成果が出ない)ということです。
デメリット2.継続するのが難しい
コンテンツを社内制作する場合、もっとも難しいのが「継続する」ことです。
オウンドメディアを立ち上げ、コンテンツマーケティングに取り組んでも、多くの企業が継続できません。
考えられる理由は次の通りです。
- 専任の担当者を決めていなくて片手間でやっている
- デメリット1で述べたように、成果が出るまで時間がかかるので、心が折れてやめていく
- コンテンツを制作するためのネタを思いつかなくなる
コンテンツマーケティングを継続できない理由は、ほぼこの3つのどれかに当てはまるのではないでしょうか。
そして多くの企業はこの3つのすべてに当てはまります。
片手間でコンテンツマーケティングをやる担当者を決めて、ちょこちょこ記事を書いたけど、すぐにネタが思いつかなくなって、3ヵ月やっても成果が全然出なくて、いつの間にかやめていた、というパターンです。
コンテンツのネタなんて一生かかっても書ききれないほど見つけるのは簡単なんですけどね。その話はまた別の記事で書きたいと思います。
デメリット3.コンテンツ制作コストがかかる
社内でコンテンツを作成してもコストはかかります。社員の給料だけではありません。
コンテンツマーケティングのノウハウを学ぶためのセミナーであったり、コンサルタント料が必要になるかもしれません。
時間的なコストもバカにできません。
「記事なんて、ブログの記事書くようなもんだろ。そんなもん30分で書け」みたいに考えている社長さんもいるのですが、Google検索で上位表示をするためのコンテンツ制作には時間がかかります。
狙うキーワードによって全然変わってきますが、月間検索ボリュームの大きな(競合の多い)キーワードを狙って記事を書く場合は、競合記事の分析だけで1日かかるということもあります。
そこから構成を作って、記事を書いていくだけでも1日かかります。
たった1記事に何十時間もかかるのです。
さらに、ユーザーのニーズが変化したり、新たなライバルが現れて検索順位が下がると、コンテンツのリライトのための時間も必要です。
コンテンツ(記事)は作ったら終わりというわけではなく、メンテナンスコストも考えておかなければなりません。
デメリット4.参入障壁が低い
コンテンツマーケティングはお金がなくてもすぐに始められます。ブログであればサーバーを借りて、ドメインを取得して、ワードプレスを使えば、月に1000円もあれば始めることができます。
参入障壁がめちゃくちゃ低いです。
これはメリットでもあるのですが、無数にライバルが増えていくというデメリットとして考えておいたほうがいいでしょう。
ビジネスであればライバルとの競争は当たり前ですが、参入障壁があれば、ある程度優位性を保てます。
しかしコンテンツマーケティングの場合は、参入障壁はありませんので、まさにノーガードで打ち合う覚悟が必要です。
コンテンツマーケティングの6つのメリット
「こんなにデメリットがあるのか・・・めんどくさそうだな」という声が聞こえてきそうですが、コンテンツマーケティングはこれまで述べてきたデメリットを克服すれば、大きな資産となって、あなたの会社に利益をもたらしてくれます。
ここでは、コンテンツマーケティングのメリットについてお伝えします。
コンテンツマーケティングのメリットは次の6つです。
1.売り込みをしなくてすむ
2.広告より低予算で気軽に始められる
3.制作したコンテンツは資産として蓄積される
4.24時間働き続けるスーパー営業マンを獲得できる
5.優良な見込客を集めることができる
6.社員のモチベーションが上がる
その他、SNSで拡散されやすいというメリットを紹介しているサイトもありますが、これは本質的なメリットではありません。
コンテンツマーケティングに取り組んだからといいってSNSでシェアされやすいわけではありません。
コンテンツマーケティングというと、ブログ記事やYouTube動画など蓄積型のコンテンツを積み重ねることで、検索エンジンから集客することのように思っている人がよくいますが、これは違います。
コンテンツマーケティングとは、「コンテンツを使ったマーケティング」ですから、検索エンジンだけでなく、当然SNSも利用すべきです。
話がそれましたが、コンテンツマーケティング5つのメリットについて、それぞれ見ていきましょう。
メリット1.売り込みをしなくてすむ
コンテンツマーケティングの最高のメリットは「売り込みをしなくてすむ」というものだと思っています。
そもそも、マーケティングとは、ドラッカーの定義によれば、「セリングを不要にする仕組み」ですから、まさに資産型コンテンツを蓄積して、自動でお客様が集まる仕組みを作るのがコンテンツマーケティングです。
企業は商品を売らなければ生きていけないわけで、そのために営業活動を行います。
業種によってはテレアポをガンガンにやって、それで足りなければ飛び込み営業をして、必死に売り込んで、お客様に嫌われるというパターンが多いのではないでしょうか。
売上ノルマに達しなければ、営業マンは上司に叱責され、ますます売り込むようになるという悪循環の出来上がりです。
しかし、コンテンツマーケティングは売り込む必要がありません。むしろお客様のほうから問い合わせが来るようになるのです。
営業マンは疲弊から解放され、いや営業マンの人数自体を減らすことも可能です。
これがコンテンツマーケティングの最も大きなメリットです。
メリット2.広告より低予算で気軽に始められる
2つ目のメリットは広告より低予算で気軽に始められることです。
ひと昔前には広告媒体といえば、新聞・雑誌・テレビ・ラジオくらいが主なものでした。
しかし今ではWEBの広告媒体は無数にあるため、ひとつの媒体で広告をかけても費用体効果は下がる一方です。
資金力のある会社なら豊富な広告予算を使って、さまざまな媒体に広告を投下して回収するというモデルでもOKでしょう。
しかし、広告を止めたとたんに売上は一気に下がります。
広告だけに頼る方法では、蟻地獄のように広告から抜け出すことができなくなります。
一方、SEO主体のコンテンツマーケティングであれば、ブログに記事を蓄積していくだけ、YouTubeに動画を蓄積していくだけで、広告を使わなくとも、優良見込客を集めることができます。
お金がかからない代わりに時間と人手が必要ですが、広告を使うより圧倒的に低コストでスタートすることができます。
メリット3.制作したコンテンツは資産として蓄積される
広告は掲載が終わったらそれで終了ですが、コンテンツマーケティングであれば、制作したコンテンツは集客の資産として積みあがっていきます。
1つ1つの記事が、そして1つ1つの動画が、インターネット上にある限り、ずっと見込客を連れてきてくれます。
例えば不動産業を営んでいて、家を売ろうとしている人を集めたいなら、家を売ろうとする人が検索するであろうキーワードで上位表示できるような記事を書けばよいのです。
今では一括査定サイトに検索上位を抑えられていますが、まだまだ方法はあると思いますよ。
記事を作れば作るほど、動画を作れば作るほど、インターネット上にあなたの会社を知るための入り口が増えていくのです。
まさに資産として蓄積されていくイメージです。
メリット4.24時間働き続けるスーパー営業マンを獲得できる
前項でお伝えしたメリット「制作したコンテンツは資産として蓄積される」を言い換えると、「24時間働き続けるスーパー営業マンを獲得できる」と考えることもできます。
マンパワーに頼った営業活動をしている会社では、優秀な営業マンを採用・教育するコストは莫大なものになります。
優秀な営業マンに育てても、辞められたら大きな痛手です。
優秀な営業マンを育てる再現性の高い仕組みを持っている会社なら、営業マンが辞めても大丈夫でしょう。しかし多くの中小企業では、そうではないのではないでしょうか。
オウンドメディア(自社所有のホームページ・ブログなど)を使ってコンテンツマーケティングに取り組めば、インターネットを通じて、お客様のほうからやってきてくれます。
つまりコンテンツマーケティングに取り組むことで、1年365日、24時間働き続けるスーパー営業マンを獲得したのと同じです。
しかも、不平不満は一切口にしない営業マンです。
メリット2で「広告より低予算で気軽に始められる」とお伝えしましたが、広告費だけでなく、長期的には営業マンの人件費もコストダウンすることができます。
コンテンツマーケティングに成功すれば、高収益体質の企業に生まれ変わることができます。
メリット5.優良な見込客を集めることができる
コンテンツマーケティングは、自社の商品・サービスに興味を持ちそうな人に向けてコンテンツを作成し、インターネット上に(本来はインターネット上に限りませんが)公開することで、見込客のほうからそのコンテンツを見つけてもらう手法です。
見込客が探してあなたのコンテンツを見つけるわけですから、興味を持った人しか、そのコンテンツを見ないということです。
つまり、無料で優良な見込客を自動的に集めることができるのです。
例えば、コンテンツマーケティングにまったく興味がないときに、フェイスブックやYouTubeなどの広告でコンテンツマーケティングの情報を見たとしても、目に求めないですよね。
でも、会社でコンテンツマーケティングを導入することになったら、Googleで検索したり、アマゾンで本を買って調べたりするじゃないですか。
興味がある人が自ら見に来てくれるのです。
コンテンツマーケティングのメリット1でお伝えした「売り込みをしなくてすむ」にもつながりますが、それは買う気がある人を集めることができるからです。
メリット6.社員のモチベーションが上がる
オウンドメディア(自社所有のホームページ・ブログなど)を使ってコンテンツマーケティングに取り組み、成果を上げている中小企業には特徴があります。
●社長がコンテンツマーケティングに理解を示して、前向きであること。
●専任の担当者がいること
多くの中小企業の社長さんは、ホームページを名刺代わりくらいにしか考えていません。
だから、社長がインターネットを使ったコンテンツマーケティングに興味を持たないと、当たり前ですが、社員も一生懸命やりません。
これがコンテンツマーケティングに取り組んでも失敗するパターンです。
逆に社長が熱心に取り組む姿勢を見せると、社員もやる気になります。
そして成果が出るようになると、担当者のモチベーションはもちろん上がりますし、お客様からの問い合わせが増えるわけですから、社内も活気づくでしょう。
オウンドメディア(自社所有のホームページ・ブログなど)通じて、お客様からの問い合わせが入り始めると、はじめはコンテンツマーケティングに懐疑的だった社員も効果を認めざるを得なくなってきます。
こうして社員のモチベーションがアップしていくのです。
デメリット克服のポイント
最初にあげたコンテンツマーケティングのデメリットを中小企業が克服するには次の3つがポイントになります。
1.社長が主導する
2.継続する仕組みを作る
3.成功ノウハウを持った外部の知見を導入する
それぞれ見ていきましょう。
1.社長が主導する
小さな会社でも圧倒的な成果を上げる可能性があるコンテンツマーケティングですが、成功するか失敗するかの最も重要なポイントは、「社長が本気でやるかどうか」にかかっています。
実際にコンテンツマーケティングを担当する人間は、社長が本気で取り組もうとしているかどうかを察知します。
本気でないと感じれば、適当に形だけ整えて、報告のための仕事になるでしょう。
社長の本気度を伝えることがコンテンツマーケティング成功へのスタートです。
2.継続する仕組みを作る
コンテンツマーケティングは成果が出るまでに半年~1年程度かかります。
少しずつ成果が上がっていくのではなく、まったく成果が出なかったのが、ある時を境に(ティッピングポイント)急激に成果が上がり始めるのです。

これをまず理解しておくことです。半年から1年は成果が出なくて当たり前と考える。
しかし、わかっていても、心が折れて継続できなくなることが多いのです。
だからこそ社内で継続するための仕組みを作っておく必要があります。
●担当者を決める
●最初は成果目標をコンバージョンに置くのではなく、記事や動画の本数にする
●毎週アクセス解析を行い、PDCAを回す
このような仕組みを作り、その仕組みを回し続ける環境を作ることが大切です。
3.成功ノウハウを持った外部の知見を導入する
オウンドメディアに掲載した記事や動画を見込客に見てもらうための一つの手法としてコンテンツSEOがあります。
GoogleやYouTubeで見込客が検索しそうなキーワードでコンテンツを作り、そのキーワードで検索結果の上位に表示させる手法です。
そのためには、記事にしても動画にしても、競合のリサーチとコンテンツの構成がポイントになります。
自分たちのやり方でやみくもにコンテンツを作っていっても、検索上位に表示されず、結果的に誰にも見られないということが起こりがちです。
これを回避するには、コンテンツSEOの知見を持った人間(コンサルタントなど)にアドバイスを求めるのもいいでしょう。
このサイトでもコンテンツSEOのノウハウを公開していきますので、ぜひ参考にしてください。
以上、コンテンツマーケティングの4つのデメリットと6つのメリットについてお伝えしました。
コンテンツマーケティングのメリットがいかに大きなものかはご理解いただけたのではないかと思います。
デメリットを克服して、コンテンツマーケティングで成果を上げていきましょう!