Googleアナリティクスを使いはじめたときに不思議に思うことのひとつに「直帰率と離脱率って何が違うんだ?」ということがあります。

Googleアナリティクスにおける直帰と離脱の違いは次のようになります。

直帰:1ページだけ見て離脱
離脱:複数ぺージを見て離脱

あるWEBページから離れることを離脱といいます。同じWEBサイトの別のぺージに行くとか、ブラウザで戻ったりとか。すべて離脱です。

直帰とはどういう状態かというと、離脱という行動の1パターンです。直帰というのは、離脱の一形態ということです。

ビジネスでイメージすれば、直行直帰とは、自宅から会社に行かずに現場に直接行って、現場から自宅に直接帰ることですよね。

WEBぺージの直帰も同じイメージです。

では、もう少し詳しく直帰率と離脱率についてみていきます。

直帰率と離脱率の違いを知ったからといって、それだけではビジネス上の成果には結びつきません。

違いを知った上で、それらの指標をどのように読み解くか、どのように改善するべきなのかというところが最も重要な部分です。

この記事では、具体例をあげながら、直帰率、離脱率の読み方、改善の思考の流れを解説します。

直帰率とは

直帰とはWEBサイトの中の1ページだけを見て離脱することでした。

直帰率とはその割合のことです。

例えば5ページのホームページがあるとしましょう。

そのホームぺージに訪れた人がTOPページだけ見て、そのまま離脱したとします。

これが直帰です。

10人中5人がこのような行動をしたとしたら、直帰率は50%ということになります。

検索結果から訪問する場合、必ずTOPぺージから訪問するわけではありません。企業理念のぺージに行くかもしれないし、商品紹介のぺージに最初に行くかもしれません。

いずれにしても、1回のセッションにおいて、1ぺージしか見ずにサイトを離脱することが直帰ということになります。

離脱率とは

離脱とはホームぺージの複数ページを見て離脱することです。

ですから下記の図のような場合は直帰とは言いません。

離脱率とは、すべてのページビューの中で、そのページがセッションの最後のぺージになった割合のことです。

セッション?ページビュー?という方は下記の記事を参考にしてください。

直帰率と離脱率の違いを具体例で解説

先ほどの5ページのホームぺージに、ある日3人の人が訪れました。

●Aさんの行動
TOP→会社案内→お客様の声→商品紹介→離脱

●Bさんの行動
企業理念→会社案内→商品紹介→離脱

●Cさんの行動
TOP→企業理念→会社案内→離脱

この3人の行動データから直帰率、離脱率を計算してみましょう。

まずはそれぞれのぺージが含まれるセッション数を数えます。

  • TOP 2セッション
  • 企業理念 2セッション
  • お客様の声 1セッション
  • 商品紹介 2セッション
  • 会社案内 3セッション

離脱ぺージとなっているのは

  • 商品紹介が2回
  • 会社案内が1回

このケースでは直帰した行動はありませんので、いずれのぺージも直帰率は0%です。

さて、離脱率は次のようになります。

●TOP:0%
(TOPを含むセッションが2回、TOPから離脱したセッションが0回)

●企業理念:0%
(企業理念を含むセッションが2回、企業理念から離脱したセッションが0回)

●お客様の声:0%
(お客様の声を含むセッションが1回、お客様の声から離脱したセッションが0回)

●商品紹介:100%
(商品紹介を含むセッションが2回、商品紹介から離脱したセッションが2回)

●会社案内:33%
(会社案内を含むセッションが3回、会社案内から離脱したセッションが1回)

離脱率の計算はページビューを母数にするのではなく、セッション数を母数にします。

直帰率に目安はある?

直帰率ってどれくらいが平均なのだろうか?

直帰率の目安はどれくらいなのだろうか?

このようなことを考える人がいますが、まったく意味はありません。

直帰率は100%でも全く問題ない場合もあります。

なぜ直帰率は高くても問題ないのかについて解説していきます。

直帰率が高いのはダメなぺージ?

直帰率が100%ということは、WEBサイトの1ページだけしか見られていないということですよね。

そのページだけ見て離脱されるということは、そのページはダメなページなのでしょうか?

実はそうとは言えない場合が多いのです。

例えば次のようなケース。

・そもそも1ページしかない(LPなどいわゆるペラサイト)
・読者がその1ページの情報で満足して直帰した

そもそも1ぺージしかない

この場合、どんなに優れたぺージでも直帰率は100%になります。

当たり前です。

LP(ランディングぺージ)の多くがこのケースに当てはまります。

※本来のランディングページの意味は、WEBサイトの中で最初に訪れたぺージのことです。

したがって、ユーザーが最初に訪問するぺージはすべてランディングぺージです。

しかし近年では、購入や問い合わせなどユーザーのアクションを促進することを目的とした縦長のページのことをLPというようになっています。

そしてLPはユーザーが離脱することを防ぐため、1ぺージで構成されることが多いのです。

LPのなかでも商品購入ページは購入ボタンを押すと、外部の決済用サイトに飛ぶことが多いです。

この場合はそのページから外部サイトへ離脱したことになりますので、直帰率は100%になります。

ちなみに、LPといっても、メルマガに登録してもらうようなLPの場合、メールアドレスを入力して登録ボタンを押すと「登録完了しました」のような同じサイト内の別のぺージが表示されることが多いです。

この場合は、直帰とはなりません。

いずれにしても直帰率の高さは問題ではないことは明白です。

LPで問題になるのは直帰率ではなく、CVR(コンバージョン率)です。

読者がその1ページの情報で満足した

「直帰率 離脱率 違い」と検索した人が、検索結果の1位にある記事をクリックしたとします。

その1記事だけで、知りたいことがすべてわかった、という場合、そのユーザーはどのような行動を取るでしょうか?

「直帰率 離脱率 違い」については満足してブラウザを閉じるのではないでしょうか。

このように1ページで知りたいことを知ることができた場合は直帰することが多いはずです。

この場合も直帰率が高いことは問題なのではなく、むしろ歓迎すべきことでしょう。

直帰率の高さが問題となるケース

直帰率が高いことは問題ではないと書きましたが、直帰率が高いことが問題となる場合もあります。

それは、読者が満足しなかった場合です。

「直帰率 離脱率 違い」と検索した人がある記事をクリックしました。

その記事に書かれていたのは、直帰率についてのことだけでした。

離脱率についての解説はなく、結局、直帰率と離脱率の違いについてはわかりませんでした。

このような場合、このユーザーはおそらくブラウザの戻るボタンで検索結果に戻り、別の記事をクリックするはずです。

このような場合は直帰率の高さが問題になります。

なぜなら、Googleはこのようなユーザー行動を見ており、「この記事はユーザーニーズを満たしていないね」という判断をすると、検索順位が下がる可能性があるからです。

検索順位が下がると、アクセスが激減します。

直帰率を下げるための施策が必要になるでしょう。

(とはいえ、直帰率の高さが検索順位に悪影響を与えるわけではありません。直帰率が高くても検索上位に表示されているのであれば問題はありません。これについては後ほど事例を示します。)

直帰率が高くなる理由

直帰率が高いことは問題でない場合があるということを書きましたが、ここで直帰率が高くなる理由についてまとめます。

直帰率が高くなる理由はユーザーがそのページに満足した場合と、満足しなかった場合に分けることができます。

ユーザーがそのページに満足して直帰率が高い場合は何の問題もありません。

ページの満足度が低く、直帰率が高い場合は問題です。

その場合の理由には次の4つが考えられます。

①検索意図を満たしていない
②読みたくならない
③ぺージ表示速度が遅くストレスを感じる
④モバイルフレンドリーでない

①検索意図を満たしていない

「直帰率の高さが問題となるケース」のところでも書きましたが、ユーザーの検索意図を満たしていないぺージは直帰率が高くなります。

自分の知りたいことが書かれていないと判断したら、そのまま読んでも時間の無駄ですから、別の記事を見に行きますよね。

②読みたくならない

検索結果からある記事をクリックしたとき、次のような記事だったら、読む気になりますか?

どんなに良い情報だったとしても、見た瞬間に「うわっ」となって、読む気がなくなりませんか?

WEBぺージというのは、読むものではなく、見るものと考えるべきです。

適度な改行やイラスト・写真などで、読みやすい雰囲気を作ることが必要です。

③ぺージ表示速度が遅くストレスを感じる

Googleはサイトのページ表示速度とユーザー直帰率の関係性について、下記のように公表しています。

(出典:Think with Google)
  • 表示速度が1秒から3秒まで遅くなると、直帰率は32%増加する
  • 表示速度が1秒から5秒まで遅くなると、直帰率は90%増加する
  • 表示速度が1秒から6秒まで遅くなると、直帰率は106%増加する
  • 表示速度が1秒から10秒まで遅くなると、直帰率は123%増加する

ページ表示速度はWEBサイトだけでなくサーバーの問題もあるので、難しいところですが、確かにクリックして表示されるのに5秒もかかるとストレスを感じますね。

ページスピードはアナリティクスの【行動】→【サイトの速度】→【速度についての提案】からPageSpeedスコアを確認することができます。

PageSpeedスコアはグーグルのPageSpeed Insightsというサイトでも確認することができますが、URLごとにしか確認できないし、分析に10秒以上かかるので面倒です。

URLを入力して【分析】をクリックすると、下記のように評価されます。

パソコンとモバイルで数値は異なります。

  • 0-49がダメ!遅い!
  • 50-89は普通
  • 90-100はOK!早い!

という評価なのでしょう。

ちなみにこの図の評価はモバイルスピードが39なので【遅い】と評価されていますが、あるキーワードで1年以上1位をキープしています。

そしてこの記事の直帰率は91.53%なのでかなり高いです。

この記事だけでなく、ページスピード0でもビッグワードで上位表示されているという知人も多いので、ページスピード評価と検索順位はあまり関係ないかなと思います。

④モバイルフレンドリーでない

現在WEBサイトへアクセスするデバイスはスマホがほとんど、というサイトも多いのではないでしょうか。

それにも関わらず、いまだにモバイル対応をしていないサイトがあります。

つまり、PC向けに作ったサイトで、スマホで表示すると、めちゃくちゃ小さく表示されてしまうページです。

2本の指を広げるように動かすピンチアウトをしなければ字が読めないようなページの直帰率が高くなるのは当然です。

直帰率が高い原因を突き止める方法

直帰率が高くなる原因として4つを挙げました。

①検索意図を満たしていない
②読みたくならない
③ぺージ表示速度が遅くストレスを感じる
④モバイルフレンドリーでない

ぺージ表示速度が遅くストレスを感じる

これについては、先ほども書いたように、アナリティクスの【行動】→【サイトの速度】→【速度についての提案】からPageSpeedスコアを確認することで推測することができます。

モバイルフレンドリーでない

これについては、スマホで見たときに最適化されているかどうかですから、見ればわかります。

また、ちょっと面倒ですが、アナリティクスで次のようなレポートを出すと、はっきります。

オペレーティングシステム別の平均滞在時間です。

全体の平均ぺージ滞在時間が5:44です。

  • iPhone(iOS)では6:26
  • Androidでは5:21

上記のようになっており、スマホからのセッションの滞在時間が短くなっているわけではありません。

したがって、モバイルで見にくいために離脱されているとは考えにくいということになります。

ちなみにこのレポートの出し方は次の通りです。

【行動】→【すべてのコンテンツ】→【分析したいURL】

ここで、プライマリディメンションの【その他】を【オペレーティングシステム】に変更することで、レポートを出すことができます。

もしくは次のレポートでも確認できます。こちらのほうがわかりやすいですね。

このレポートは【行動】→【すべてのコンテンツ】→【分析したいURL】

ここからセカンダリディメンションを【ユ―ザー】の中にある【デバイスカテゴリ】に設定します。

全体の平均ぺージ滞在時間5:44と比較して、mobileの平均ぺージ滞在時間は5:59ですから、むしろdesktopでの滞在時間を改善する必要がありそうです。

検索意図を満たしていない・読みたくならない

これが原因であるかどうかを分析するには平均ぺージ滞在時間と記事の文字数の関係を読み解いていく必要があります。

人が1分間に読める文字数は400~600文字と言われています。

中間をとって、1分間に500文字読めるとしましょう。

すると、5000文字の記事であれば、最初から最後まできちんと読めば10分かかると考えられます。

それにも関わらず記事の滞在時間が1分しかなかったらどうでしょう?

ほとんど読まれていないということになります。

なぜ読まれていないか?

それはユーザーが知りたい情報がなさそう、読みにくそうと思ったことが考えられます。

直帰率が高く、平均ぺージ滞在時間が文字数に比して短い、という場合は直帰率が高いのは問題かもしれません。

ただしこれは記事に動画を埋め込んでいたりすると、文字数が少なくても滞在時間は長くなるということもありますので、あくまでひとつの仮説として考える必要があります。

また、滞在時間が短くても、狙ったキーワードで上位にいるのであれば、滞在時間は短くても問題ないでしょう。

直帰率が高く、滞在時間が短い、そして上位表示していない、ということであれば、検索意図とコンテンツのズレや読みにくさが原因になっているのではないか、という仮説を立てることができるということです。

ちなみに、さきほど例に挙げたこちらの記事は文字数が9500文字ほどですので、最初から最後までしっかり読めば、19分ほどかかる計算になります。

しかし実際には滞在時間は5:44ですから、1/3ほどしか読まれていない計算になります。

しかし、「空手 メリット」での検索順位は1位をずっとキープしています。

この記事は直帰率は91.53%と高く、滞在時間も文字数に比して短いですが、検索上位を維持しているので特に問題はないかと考えています。

離脱率が高いと問題になるぺージは改善する

離脱ページはセッション最後のページのことですから、必ず1セッションに1ページ存在することになります。

したがって離脱率が高くても、問題にするべきことはありません。

ただし、WEBサイトの中で離脱率が高いのはマズイというぺージが1つだけ存在します。

それはコンバージョン獲得ぺージです。

ECサイトで考えるとわかりやすいので、Amazonを例に挙げて考えてみましょう。

アマゾンで本を買おうと思って、カートに入れました。

注文内容の確認画面に遷移しました。

ここから「注文を確定する」をクリックすると、アマゾン側から見てコンバージョンが発生するわけです。

しかし、このぺージで離脱したらどうでしょう?

アマゾンは売上になりません。

ECサイトでカートに入れてから、購入完了までのステップで離脱されるのはサイト運営者にとって大問題です。

離脱するなら購入完了してもらってからでないと困りますね。

アマゾンであれば、購入完了前に離脱することは少ないと思いますが、これが情報商材を販売するサイトならどうでしょう。

カートに入れてから、購入完了までの間に「やっぱり怪しい。やめておこう。」となることはあるかもしれません。

もしくはカートに入れる前の商品説明ぺージで離脱されても困ります。

このように、コンバージョンにかかわるぺージの離脱率が高いのは問題です。

その場合は、コンテンツの信頼性やボタンのわかりやすさなどをチェックして改善する必要が出てくるでしょう。

直帰率と離脱率の違いから、話が飛んでしまった感もありますが、重要なのは違いを知ることではなく、それら指標をどう読み解くかということです。

読み解くために、直帰率、離脱率の意味合いをしっかり理解しておきましょう。